DXの取り組みについて
代表取締役社長 森 雄児
2023年8月5日
1.経営ビジョンとDXの推進について
デジタル技術の急速な進展により、それらを活用することで情報の共有、製品の設計・生産など多くのことがより早く正確に効率的に行えるようになってきています。これまで、スピードに価値があるとの考えの元、デジタル技術の変化に対応して自社業務の効率化をしながら「いいものづくり」に数多く取り組んできました。しかしながら単なる効率化ではなく、日々進化するデジタル技術を活用したビジネスモデルや組織の変革をしていくことが、市場での競争環境で勝ち残っていくために必要であると認識しています。
このような状況を踏まえ、当社は創業80年で培ってきた「いいものづくり」の精神やスピードに価値があるとの考えを持ちながらも、鋳造業界の常識にとらわれることなく、デジタル技術を活用してお客様のニーズを捉えた新たなプロダクトやサービスの提供という新しい価値でお客様を支援することを目指します。
具体的なデジタル技術活用の方向性としては、当社がこれまで積み上げてきたノウハウや蓄積された実績、多くのお取引先の存在という強みに、デジタル技術の活用を掛け合わせることで、強みを源泉とするデータの整理・活用を進めて、新たなプロダクトやサービスの提供につなげると同時に、今まで以上の効率化によってスピードの価値も高めます。
2.DX戦略
経営ビジョン達成のために以下の戦略を定め取組みます。
戦略1.自社のノウハウや、お取引先の要望や意見等の声をデジタルデータ化して一元化し、抽出・整理した上で、新たなプロダクトやサービスの種を考案し評価を行い、育てる仕組みをデジタル技術を用いてつくります。
戦略2.蓄積されてきた製品仕様やコストに関するデータ等を、デジタル技術によって検索可能な形式で整理してお取引先と共有することで、関係者間での共通部品の設計や提案に活用したり、お取引先での新製品開発や部品管理で利用できるようにします。
戦略3.グループウェア、チャットの活用による社内コミュニケーションの円滑化に加え、社内外の文書のデジタル化によるペーパーレスの推進と、単純作業の自動化による業務の効率化を実現します。
(1)DX戦略の推進体制及び人材の育成・確保
DX戦略を推進するために以下のような体制の構築と人材の育成・確保に務め、DXの推進を図ります。また、必要に応じて外部組織とも連携していきます。
<組織・体制>
・「DX推進チーム」を設置し、社長を総括責任者とする
・総括責任者の下にチームリーダーを置く
・チームメンバーは各部門から選出し、部門横断型チームとする
・DX戦略を推進するための「実行計画」を作成し、毎月進捗の管理をする
<人材育成>
・「DX推進チーム」主催によるDX技術に関する社内研修会を定期的に実施
・各部署デジタル技術事例発表会を開催
・社外セミナーへの参加
<人材確保>
・新卒を中心にデジタル技術に親しんでいる世代を採用する
(2)DX推進に向けた環境整備
社内での情報共有を効率化する基盤としての環境整備と、DX推進チームが策定したDX戦略推進の実行計画に基づいて、計画上必要となるITシステムやツール等の環境を随時検討して整備していきます。具体的には以下のものを想定しています。
・iPhone、iPadを全社員に配布しGoogleWorkSpaceとチャットツールを全社導入
・クラウド型のデータ共有・視覚化システム
・RPAツール
3.DX戦略指標
DX戦略の達成度を測る指標として以下のものを採用します。
・蓄積されたデータを活用した新たなプロダクトやサービスの考案数、評価数、ビジネス化数
・お取引先との製品仕様やコストに関するデータ等を共有するシステムの完成
・製品仕様やコストに関するデータ等の共有サービスを活用するお取引先数
・プロセス毎の業務削減時間
4.DXの推進状況に関する社長メッセージ
株式会社モリチュウでは、「いいものづくり」を企業理念の中心に掲げ、鋳物を中心とした金属部品の提供を基本にお客様に価値提供を行っております。
今後、様々なデジタル技術を駆使しながら「いいものづくり」の精神で新たなプロダクトやサービスの提供という新しい価値を提供して、お客様に喜んでいただくためにDX戦略をまとめております。
現状は、デジタル技術の人材確保を念頭に来年度の新卒の採用活動と、各社員のDX推進に向けた環境整備が概ね完了しています。また、戦略策定前からお客様の声の一元化と整理、必要となる技術の情報収集等を個別に行っておりましたが、推進体制で示したDX推進チームにより、DX戦略の実行計画を作成して進めていくことが直近の課題であり方向性となります。まだ途に就いたばかりですが、今後一歩ずつ着実に進めてまいります。今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。