社長ブログ

2020.12.27

景観材事業について

モリチュウの事業の一つに景観材事業がある。これは、道路の照明灯、公園のフェンス、学校の門扉、再開発のマンションのエントランス装飾、個人宅の外構など、街なかの機能に装飾を施し、街並みを美しくする事業である。

これは、かつて私の父である会長がヨーロッパの旅の途中、鋳物がふんだんに使われているパリの美しい街に感銘を受け、日本にも同じ様な街並みを作りたいという想いで始めた事業である。

しかし、私の中で一つの疑問があった。
「確かに美しいことはいいことだ。しかしそれがどんな成果を生むのか?誰が求めているのか?」

そんな中、ある時普段朝礼で使っている何気ない言葉が頭の中をよぎった。それは・・・、

「人間は、自分の目で見ている物、感じているものに、自分の気持ちが段々似てくるものです」
<イエローハット>の創業者である鍵山秀三郎氏の言葉である。

無意識に瞳を通じて、連続して脳に届く視覚情報の量は莫大である。人の心に影響を及ぼさないはずはない。

もし、町中が鏡面に輝くステンレスとアルミで、かつ直線で構成された造形物におおわれていたら、そこに住む人たちはきっと自分の気持ちが「落ち着きがなく、クールで冷たく」なっていくだろう。

もし、まちが緑と手作り感あふれた優しい造形に満たされていたら、そこに住む人たちはきっと自分の気持ちが「優しさと慈しみ」にあふれていくだろう。

「形から入って心に至る」という言葉もある。

まちづくりとは、そこに住み、行き来する人たちの気持ちに甚大な影響を及ぼすものであり、そして、直接口にはしないが、全ての人が「優しさと慈しみ」に満たされた世界を求めていることは間違いない。

自分たちの行っている景観材事業とは、全ての人が求める「優しさと慈しみ」に直結するとてつもなく重要なミッションを担っているのだ・・・と改めて感じた。

そして、そんな気持ちを共有できる人たちと仕事が出来ることが、最も幸せな事だとも思うのである。