社長ブログ

2018.11.26

分かりやすくするのは良いことだが

難しいことを分かりやすくするということは大切である。

わかりやすく表現しようと言う流れの中で、最近出てきているのが書籍の漫画化である。絵になると文字よりも直接内容が伝わりやすくなると考えるのはごく普通である。

しかし実際に漫画化されたものを読んでみるとどうも、頭の中に残って来ない。しっくりこないのである。確かに描かれている内容は非常に分かりやすいのであるが、ある意味スムーズに頭の中に入って来すぎてしまい、その為か、頭から出て行くのもスムーズなのかもしれないと思ってしまう。

また、当然ではあるが漫画で表現をすると、文字で表現している書籍よりも内容的には薄くなってしまう。あるいは深みがなくなってしまうという方が適切だろうか。小説が映画化されてしまうと陳腐化してしまう現象に似ているのかもしれない。

世代の違いもあるのかもしれないが、私には文字の方が脳の襞に染み込んでくる感じがする。文字ではなく、漫画や映像が情報伝達の主流になる傾向と、思考や感情の軽薄化傾向が同時進行をしている気がする。そしてそこにやや危機感を感じているのは私だけだろうか。