社長ブログ

2018.08.27

奇跡の社員(2)

実は社員Hは、1回目に病院に行った後、自分でも異常を感じ翌日の飛行機で日本に帰ってくるつもりだった。事前に「足が痛いので急きょ帰国する」と連絡が入っていた。正直「行ったばかりでまったく・・・」と思いつつ「しょうがない」と許可をしたのである・・・が、翌日まではもたなかったのである。

入院をした翌日弊社の現地スタッフのK(中国人)に連絡をしどんな様子か聞いてみた。彼は「あまり良くないです」と言う。「あまり良くないとはどういうことか・・・?」と聞いてみると、「社長もすぐに来た方が良いです」とのこと。「そんなにひどいのか・・・」と聞くと「そうです、命が危ないです」と言う。

そこで私は師匠の小山さんに事の事情を相談した。小山さんの答えは「すぐに現地に飛べ」とのことであった。そしてHの奥様と連絡を取り、奥様とすぐに動ける娘さん、そして私の飛行機のチケットを即手配した。娘さんは即中国入り、私と奥様は翌日、中国に飛んだ。

Kは、私たちを飛行場で迎えに来ていて、合流後、即病院に向かった。その時すでにHはICUに入っており生死の縁をさまよっていた。ICUに入っているため勿論中には入れず。状況が確認できない。ICU前の待合で無為な時間が過ぎていく。夕方一度看護士とベッドの上の本人が出てきたが、本人は多少話は出来るが麻酔でほぼ意識朦朧状態である。それもそのはず、急性壊死性筋膜炎の場合デブリーマンという過酷な治療をするしかなく、その痛みを抑えるためには強い痛み止めを服用するしかない。そんな中、今回の炎症を起こしている細菌に効く抗生物質を試す治療が続けられるのである。そして、看護師との会話も中国語なので、細かいところまで分からない。出てきても話せる時間は5分程度。訪中初日を終える前に、「これは大変なことになった」と正に途方にくれたのである(続く)。